次に、ユニバーサルデザインの今後の取り組みについて伺います。

 第2回定例会のユニバーサルデザイン審議会設置条例を受けて、今まさに審議会が行われていることですが、この進め方についてどういう議論、またゴールは何か。その辺をお示しください。

○海老沢政策室副参事(企画担当)

 中野区ユニバーサルデザイン推進審議会につきましては、現在8月、9月の計2回開催をしたところでございます。審議会の中では、ユニバーサルデザインを進めていく上で、社会参加の障壁となっている事項についての現状把握を進めているところでございまして、今後、ユニバーサルデザインを進めていくための基本方針や目指すべき将来像、区、区民、事業者等の役割等について議論を進めていくということにしているものでございます。

○高橋(か)委員

 さきの本会議質疑で区長答弁いただいたときも、中野区版のマニュアル作成ということも検討していくということでございましたけども、平成26年の東京都の福祉まちづくり条例、いわゆる施設整備マニュアル、これが自治体の施設整備のバイブルになっているわけですけども、これをさらに積極的に、この規格だと例えばスロープ8%とか、それではとても一人では坂を上れないよとか、そういうようなスペックとして利用しづらいということが言われて、せっかくつくったはいいけども、利用できないということになりかねない事例があるというのを聞いているんですけども、再度確認しますけれども、本当に使われるユニバーサルデザインとして間口やスロープの傾斜角度とか、さらに踏み込んでより利用しやすいスペックとして取り組む他の自治体に先駆けた中野オリジナル版というものの策定を進めるということで、区の見解をお示しいただきたい。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当)

 中野区では現在、東京都の施設整備マニュアルにおける対象建築物の範囲を拡大しました福祉のまちづくりのための環境整備要綱を平成27年に定めて運用しているところでございますが、今後はユニバーサルデザイン審議会でのこれからの議論を踏まえまして、今、委員御指摘のマニュアルも含めまして、どのような対応が必要なのか、検討していきたいと考えております。

○高橋(か)委員

 ユニバーサル審議会を経てユニバーサル条例ができました。中野区版のオリジナルの施設整備マニュアルができた。こう仮定した場合、具体的な展開をどのように考えているのか。また、区役所整備とかサンプラザ跡地とか駅周辺まちづくりなど、次々に展開していくこうしたまちづくり、施設整備に具体的にどのように生かしていくのでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当)

 今後の展開につきましては、まずユニバーサルデザインの考え方の提案というのは非常に重要であると考えております。中野区の実情に合った展開ができるように検討していきたいと考えております。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当)

 中野駅周辺の交通基盤整備ですとか、にぎわい集客施設などの整備に当たりましては、ユニバーサルデザインを整備いたしまして、誰もが安全で利用しやすい施設となるように施設の設計や整備業務を進めてまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員

 先ほどハード面でのUDについてお聞きしましたけれども、ユニバーサルデザインといっても、その内容はハードからソフトまで、意識にかかわる問題から、例えば区の窓口のあり方とか、外国人対応の窓口業務のサイン計画であったりとか、あるいはインバウンド向けの案内板やサイン、あるいは販売機とか、それこそ食堂の食券のお金を入れたり、券を取る高さだったりとか、極めて広い範囲で、また細かい範囲でありますし、区政を進める際の理念に至るまで非常に大きな問題というふうに考えております。こうしたUD、ユニバーサルデザインを考える領域ゾーンとして、さっき申し上げたような移動生活環境のユニバーサルデザインもありますし、情報のユニバーサルデザインであったり、サービスであったり、あるいは心のユニバーサルデザイン等々が挙げられると思います。区が今後の未来展開としてユニバーサルデザインを積極的に取り組むことであれば、施設とかサービス関連だけじゃなくて、精神疾患を患っている方とか、あるいは人間の多様性に注目した、何というんですかね、ソーシャルインクルージョンというか、社会的包容力の考え方を進めていく必要があると思うので、お伺いします。よく言われる心のバリアフリーとか、精神の多様性、人間の多様性に関係するような、こうした考え方を区が進めるユニバーサルデザインにも取り組むべきだと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当)

 ユニバーサルデザインを進めるに当たりまして、誰もが自由に社会参加が進むまちを実現する取り組み等を検討していくということにしているものでございます。そのためにはハード面の取り組みのみではなく、心のバリアフリーなどのソフト面の取り組みについても両輪で進めていくことが重要であるというふうに考えております。

○高橋(か)委員

 今進められているユニバーサルデザインの審議会の答申を踏まえて、その後のユニバーサルデザイン条例を制定して進めていくということで、その考え方をどのように継続的にまちづくりに生かしていくのか、教えてください。また、その実効性をどう担保するのか。また、新たに展開する際の、いわゆる上流段階、企画段階で生かせるために事務の検証を行うとか、実効性を評価していくような外部チームをつくるとか、そうしたお考えはあるのか、教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当)

 ユニバーサルデザインの推進に当たりましては、条例に基づく推進計画を策定し、具体的な取り組みを明らかにした上で計画的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。取り組みを進めていく中では、PDCAサイクルによる評価、改善の仕組みについても考えてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員

 先ほど申し上げたユニバーサルデザインというのは非常に多岐にわたるということと、ハード、ソフト両方に至っているということで、いわゆる一つの考え方であったり、要望を解消するという、そういう施策ではなくて、ユニバーサルデザインが広くきちっと成り立っていくことによって、ハンディキャップをお持ちの方も便利に利用できるし、我々も大きな荷物を持ったり、キャスターを下げても自由に利用できるし、お子様を育てている子育て世代がバギーに乗せたとしても自由に使えるとか、あるいはそういう整備したことによってまちがにぎわう、人が誰でもいつでも一人で自由に動き回れるということの重要性というのをぜひ生かしながら、審議会を仕切っていただきたいと思います。

 最後に、区が進めるユニバーサルデザインについて、ぜひ区長の御見解をお示しいただきたいと思います。

○田中区長

 ユニバーサルデザイン、本当に幅広く、また奥行きの深い大変大きな課題だというふうに思っております。しかし、こういった課題に中野区が率先して取り組んでいくということによって、まちの価値というものも高めていくことができるのではないか。こんなふうに考えております。誰もが障壁なく活動できると言っても、技術的な限界とか、あるいは環境的な限界とかいうようなことがあって、常にこれは障壁を取り除く努力ということをこれからも永続的に続けていかなきゃいけないことであるというふうに思いますので、そういう意味では物のユニバーサルと心のユニバーサル、これを両方相まって進めていくということが基本だと思っております。そうした中野のまちになるということによって、中野のまちで活躍する方たちが増え、また、多様な方たちが中野のまちから価値のある発信をしていただくということによって、中野のまちの魅力、中野のまちの発信力というものが大いに整っていくということを期待していきたいと思っております。

○高橋(か)委員

 以上で私の全ての質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○若林委員長

 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。