それでは、5番として挙げております温暖化対策についてお聞きします。

 中野区においても基本構想及び10か年計画の改定が進んで、また、中野区環境基本計画の改定も並行して進められていくということだと思いますが、さきの同僚、加藤たくま議員の質疑に対して環境部長もお答えされていましたけれども、改めて、区の新たなCO2削減目標、また、その目標設定やその後の展開について、簡潔にお話をお願いしたいと思います。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 お尋ねの区の削減目標の設定につきましては、23年3月にございました大震災、原子力発電所の事故以来、電気のCO2の排出係数が大きく増加している状況がございます。こうしたことから、区民、事業者の努力が見えにくいという状況がございます。

 こうした中で、これまで削減目標としてまいりましたCO2の排出量、これに加えまして、区民や事業者の省エネ、節電努力の成果が明確な数値としてあらわれるエネルギー消費量による目標設定を検討しているところでございます。その数値目標につきましては、まず、国がCO2削減につきましては、ことし7月に、温室効果ガス全体の目標でございますが、平成42年度には25年度比で26%減という目標を示してございますので、これを踏まえてまいります。

 また、CO2削減目標の前提となるのがエネルギー消費量ということでございますが、これにつきましては、同じく平成42年度には25年度比で9.7%程度削減をする見通しを示してございますので、こうしたことも踏まえて検討を進めているところでございます。

 今後の地球温暖化対策の展開といたしましては、こうした動きをきちっと踏まえて、現在、10か年計画や中野区環境基本計画の改定で検討を進めてございまして、低炭素なまちづくりなどを盛り込むことを検討しているという状況でございます。

○高橋(か)委員

 ありがとうございました。

 では、ちょっとこれからは緑化に関連することについて伺っていきたいと思います。カーボンオフセット事業について。区では温暖化対策事業として、26年度からカーボンオフセット事業ということで、里・まち連携のみなかみ町において、植林ですけれども、行っております。この群馬県みなかみ町における緑化について、その実績や今後の経費の見込みについて教えてください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 区は平成26年の4月に、なかの里・まち連携自治体でございます群馬県みなかみ町及び土地の所有者と5年間の協定を締結してございます。これにより、牧場跡地でございますが、約15ヘクタールに「中野の森」、これを設けまして、5年間で約3万本の植林を行う予定といたしました。平成26年度でございますが、約3ヘクタールに6,000本の植林を行ったところでございます。

 また、これに関連しまして、26年の7月から、区民や事業者の皆様が「中野の森」支援ということで地球温暖化の防止に貢献していただけるよう、環境基金への寄附募集も開始してございます。平成26年度は58件、17万円の御寄附をいただいてございます。この寄附分につきましては、27年度に上乗せをいたしまして、6,200本の植林を行ったところでございます。

 これによりますCO2の吸収量でございますけれども、平成26年度の植林の際、群馬県から森林整備による吸収量、26年度は9.1トン、5年間では136.5トンの計画認証を受けたところでございます。

 それから、お尋ねの総経費の見込みでございますが、5年間にかかる総経費は4,200万円程度を見込んでございます。

○高橋(か)委員

 そうした活動ですけども、いわゆる区民への周知であったり、あるいは実績の広報であったり、その辺はきっちりやっていらっしゃるんですかね。確認ですけども。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 こうしたことにつきましては、逐次、区のホームページあるいは区報等でお知らせをしているところでございます。

○高橋(か)委員

 里・まち連携、たしか五つの自治体ですか。里・まち連携のメーン事業としてこのカーボンオフセットがたしか位置付けられていると記憶していますけれども、ほかの連携自治体との間はどのように展開しているんでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 これは里・まち連携の3本の柱でございます、人の交流、経済の交流、そして環境の交流ということがございますが、その3本柱の一つでございます。里・まち連携自治体は5自治体ございますが、現在こういった形で進めておりますのは、みなかみ町、それから喜多方市でございます。喜多方市につきましては、ことしの7月に5年間の協定を締結してございまして、喜多方市の進めております喜多方市森林整備加速化プロジェクト、これによります間伐等の森林整備を支援ということで、間伐した森林のCO2吸収箇所分のオフセット・クレジット(J-VER)を購入することといたしまして、今年度につきましては、CO2吸収箇所50トン分を購入したというところでございます。

 今後につきましては、現時点ではみなかみ町、喜多方市以外との新たなカーボンオフセットにつきましては、現時点では予定はございませんけれども、今後、環境交流あるいは地区間連携のあり方等も含めまして、それぞれの自治体の意向や状況も踏まえて検討してまいります。

○高橋(か)委員

 それでは、区内の緑化推進について伺います。区は、区外だけじゃなく、区内にも緑化推進の行政ということで考えていらっしゃると思うんですけれども、中野区の花と緑の祭典、こうした区内の緑化推進事業の近年の実績、また、今後の取り組み方針について手短にお願いいたします。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 花と緑の祭典につきましては、25年度で申し上げますと、2日間、春秋4日間開催してございまして、延べ1万2,450人に来ていただいてございます。また、その際、苗木の配布を700本、年間で行ってございます。26年度につきましては、同じく春秋開催4日間いたしまして、延べ1万7,338人の御来場をいただいてございます。この際の苗木の配布でございますが、前年度同様、まず、東京都から供給されたもの計700本の配布をしてございますが、これとは別に新規で、区で購入をいたしましたものを同じく700本、これを新たに配布いたしまして、その結果、25年度の2倍、合計1,400本を配布したところでございます。

○高橋(か)委員

 私の委員会の質疑でもカーボンオフセットのお話を伺ったりしている中で、緑化を積極的に区内でもしっかり進めていくのかと、こういうような話の中で、区が果たすべき役割は、まず区内のCO2削減であり、区内の緑化であると。今後、区内の緑化推進は、温暖化分野のきちっとしたメーンとして取り組んでいくという、こういうお話を伺っておるんですけれども。こうしたことを踏まえて、今後の区内緑化の推進事業、これをどのように展開していくのか、また同時に、財源も当然くっついてくるわけで、現在の主な財源はどこから持ってくるのか、その辺をちょっと教えてください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 区では中野区みどりの基本計画といったものを定めまして、区内におきまして、公園整備などの公共緑化を推進するとともに、身近な緑につきましては、条例に基づく建物の建築時におけます緑化計画書制度による指導を行い、また、樹木や樹林等の保護指定も行ってございます。また、御紹介の花と緑の祭典の開催ですとか、苗木の無料配布などを行いまして、身近な緑の保護・育成に努めまして、緑化政策を推進してございます。近時の充実の例といたしましては、苗木の無料配布の倍増のほか、保護樹木等の管理、経費の助成、この充実を図ったところでございます。今後も身近な緑の育成に総合的に取り組んでまいります。

○高橋(か)委員

 もう一度、財源について。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 失礼いたしました。緑化推進事業の主な財源でございますが、中野区環境基金からの繰入金でございます。

○高橋(か)委員

 今おっしゃった財源ですけれども、中野区環境基金、これは積み立てとかはどのように進めているんですか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当)

 平成26年度で申し上げますと、2,600万円ほどの積み立てを行ってございます。この内訳でございますが、中野区温暖化対策推進オフィスの貸し付けによります賃料が1,800万円余、それから、区民の皆様からいただきました寄附が116万余でございまして、残りが一般財源という状況でございます。

○高橋(か)委員

 わかりました。

 それでは、今度は区有施設の緑化推進について伺います。今、こうして区内での緑化推進が重要だというお話がありましたけれども、身近なところでは小・中学校の緑化とか、そういうものをよく耳にし、目にしますけれども、区立小・中学校の屋上や壁面緑化、この状況は今どのようになっているでしょうか。

○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当)

 区立小・中学校では、塔山小学校、北原小学校、第二中学校、中野中学校で屋上緑化を行っております。また、壁面緑化は全部の小・中学校で行っております。

○高橋(か)委員

 屋上を実施していないところというのは、構造の問題であったり、物理的な問題というのもあるんですか。その辺の理由はどういうのでしょうか。

○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当)

 今御指摘のように、屋上にいろんな機械類を置いてある学校がかなりありますので、なかなか全ての学校にという形ではまいりません。

○高橋(か)委員

 区が率先して区内での緑化を進めていかなきゃいけないというのは当然あると思いますので、今後、区の施設、そうした構造であったり、付設物の関係で、既存のやつがやるのが難しいということであるのであれば、今後、施設を新たに建設する場合なんかは、ぜひ屋上緑化など、その辺を最初からきちっと計画を入れて進めていくように、これは要望として申し上げておきたいと思います。

 続いて、区営住宅、この屋上緑化という件なんですけど、私の地元の江原町にも区営住宅が幾つかありまして、その住民からも屋上緑化できないの、というような話をいただいているところであります。居住者が屋上に入れるようにして緑化、これは区民の緑化意識の向上、環境部も目指しているところですし、あるいは昨今の猛暑対策にもなると考えますので、あわせて、屋上緑化だけじゃなくて、敷地の中の緑化の充実と、こういうものも含めて、ぜひ前向きな検討を要望として挙げておきますので、御検討をお願いいたします。

 それでは次に、区の道路工事等におけるエコセメントの利用について伺います。中野が進める基盤整備とか都市施設整備において、CO2排出を抑制するエコセメント、これを、要は石灰石の一部を、いわゆるごみですね。ごみで変えてつくるということで、その分のCO2削減に寄与するということで、1トン当たり130グラムのCO2削減が可能というふうになっておりますけれども、こうした二次製品、これを用いたコンクリートなどの二次製品などは、都の建設リサイクルガイドプランであったり、環境物品等の調達方針の中で、優先的に調達する品目に指定されているようであります。産廃処理に伴う副産物の有効利用を図る品目に位置付けられていることなんですけども、これは家庭ごみ、あるいは都市ごみの焼却灰でつくるということになるので、コンクリート製品、生コンになったときに、インフラに活用されることで、資源の循環化ということにも寄与すると思うんですが。

 ここでお聞きしたいんですが、区の実施するインフラ整備、例えば道路工事、側溝とかU字溝だと思いますが、あるいは今後進めていくべき電柱の地中化に伴うコンクリート部材、それから、まちづくりなどでの都市基盤施設など、こうしたもののところにエコセメントを活用するということはどうなんでしょうか。率先して取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当)

 エコセメントの区における利用でございますが、今後の環境審議会の答申でありますとか、あるいは環境基本計画で示される内容、これを踏まえまして、エコセメントの利用をはじめ、大規模事業者としての区の環境配慮を具体的に検討すべきと考えております。

○高橋(か)委員

 ありがとうございました。結構でございます。

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