○高橋(か)委員

それでは、次に、なかの里・まち連携について伺います。もう皆様御存じのとおり、五つの自治体となかの里・まち連携を行っておりますけれども、平成25年度の予算補助資料によりますと、業務委託費173万円余というふうになっております。また一方で、昨年の里・まち連携の実績は831万円というふうに、かなり金額の違いが出ておりますけれども、この内容と理由を教えていただきたいんですが。

○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当)

来年度予算でございますが、連携自治体の参加によります産直イベントでございますとか、連携自治体の物産観光情報パンフレットの作成、それから、町会・自治会が自主的に行う体験交流のあっせんに係る企画調整の支援にかかわる委託料というものになってございます。なお、大幅な減額の理由につきましては、従前のなかの里・まちウエブの、このたびの都市観光ホームページへの統合でございますとか、体験交流モデル事業の連携自治体によります自主事業化としたことが大きな理由でございます。

○高橋(か)委員

この里・まち連携の実績といいますか、環境交流、また、観光交流、経済交流、まあ、災害時の助け合いというのはもちろんベースにあると思うんですけども、その中で民間部門を利用したさまざまな連携事業を行うというふうにしているんですけども、どのように具体的に連携しているのか。また、中野の経済効果はどうなのか。いわゆる物産展が向こうから来てこっちでやるというのはわかるんですけど、中野の物産を向こうへ売った実績といいますか、その辺はあるんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当)

御案内の経済交流でございますけれども、今年度につきましては、区内におきまして区が主催で4回実施してございます。それから、商店街、町会などの主催によりますのが4回といった産直イベントを実施しているところでございます。こうしたものの区の役割でございますけれども、区が主催するほか商店街や町会・自治会が主催するイベントの連携自治体のあっせんでございますとか調整というものでございまして、コストといたしましては、区が主催するときの備品などの調達を含めます会場設営経費といったものになってございます。それから、中野の物産販売でございますけれども、23年度に常陸太田市の秋祭りで中野の逸品授賞店が物産の販売を行っている実績がございます。

○高橋(か)委員

そうして伺ってみますと、例えば観光事業なんかは、いわゆる旅行代理店への委託事業のようなふうに受け取れるんですよね。また、経済交流も、いわゆる物産展として開催していますけども、あっせんというようなお話がありましたけども、開催現地へのつなぎを行っているということだと思うんです。そうすると、実際の物産展の内容自体は、連携自治体内の、先方の生産者や事業者任せというふうになっていますし、いずれの物産展についても区内の経済団体というのが承知をしていない事例が見受けられるんです。こうしたことを考えますと、多分直でやっているのはもちろん区が把握できないというのは、これは当然なんでしょうけども、あっせんのみで個別のイベント先への連絡調整にとどまっていて、例えば区商連だとか、そういう経済団体のところにイベント自体のことがきちっと、それは向こうが本来はやる、向こうの組織の話と言っちゃったらそれまでなんですけども、その辺をうまく調整するのも大事なんじゃないかなというふうに思っています。せっかく五つの自治体と結んでいるわけですから、うまく交流を図るというのと同時に、ほかとの連携が進んじゃったりしないように、逆に区がきちっと抑え込んでおくというか、そうしてより交流を深めていくということが大事だなというふうに思っております。私もみなかみ町との締結前に何度か先方を訪問したんですけども、行政の方々はもちろんですけども、商工団体や観光関連団体が一堂に会して常に行動をともにしているというところもありましたので、区が行政単独で対応するということよりも、どんどん民を活用したほうがいいんじゃないかなというふうに思っています。

そこで質問なんですけども、里・まち交流、多くの人を送り込んで多くの物産を消費するというのが本来の意義ですから、区内の商売にたけた人たちをうまく活用する。それも地域の活性化にもつながりますし、それぞれのネットワーク構築でさらに次の展開を生むんじゃないかなと思っています。観光事業では委託先をきちっと区内に振り分ける。人材も育成する。また、経済交流については、物産展販売だけじゃなくて、例えば連携先の一番売りの商品を一番旬な時期に宅配販売を、中野商工会議所とか、そういう経済団体に売り込むとか、そういうのはまさに民の知恵というか得意な部分だと思いますので、そういう形で新しい展開も進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当)

なかの里・まち連携でございますけれども、区民と市民、あるいは、生産者と事業者間の実質的な交流が活発に行えることを目標としているところでございます。それには、区内事業者でございますとか、経済商工団体との連携は欠かせないという認識でございます。こうしたものに向けまして、今後連携事業に関します情報提供を緊密に行うといったことでございますとか、区内事業者、経済商工団体と連携自治体の生産者、もしくは事業者との交流の機会といったものを設けていきたいと考えてございます。なお、観光体験交流につきましては、25年度につきましては区の委託事業から連携自治体の自主事業とする予定でございます。

○高橋(か)委員

ありがとうございました。

このように一連の活性化策について見ていきますと、区が掲げる重要施策、産業振興ビジョンや都市観光ビジョンに共通するキーワードというのは、産・学・公連携であったり、区内経済団体との連携・協働であるということは間違いないと思っておるんですけども、この活性化実現のために産・学・公が目指すゴールを定めて、そこにお互いのベクトルを合わせて協働していくということが非常に重要であって、これには日常の情報共有であったり、コミュニケーション、あるいは、人事交流の緊密化というものが不可欠ではないかなと思いますし、今後の駅周辺における、本丸とさっき言ったような気がするんですけど、区役所・サンプラザ地区の再整備、こういう構想にも当然都市型観光の拠点としての視点が盛り込まれるでしょうし、さまざまな民間部門がその知見をフル活用して展開する中で、逆に今度は地元や地域商店街、あるいは、既存の民間団体の間での相互情報共有というんですか、行き違いがないようにするための、産業振興施策というものと都市観光という両面において区の役割が非常に大きいというふうに考えております。

ここで区長にお尋ねしたいんですけれども、いわゆる産・学・公連携、協働、情報共有化というためには、行政担当による事前調整協議、いわゆる根回し、足で稼ぐ、そして、フェイス・トゥ・フェイスの根回しが必須ではないかなと考えておりまして、これにはやはり行政職員が業務の一環としてオフィシャルに動ける組織体制の整備強化というものが必要ではないかと。また、都市観光の創出、にぎわい・活性化についての、この都市観光専門部門の設置というものが必要ではないか。そこから区内団体の人材も受け入れたり、人事交流も図るとか、連携を深めていくということも一つの考え方ではないかなというふうに思っております。それによってまだまだ弱いと言われている、中野というまちに出かけて、そこで過ごす現場のイメージというんですかね、いわゆるブランド化というものをつくり上げて、話題性のある拠点と拠点を結んで活性化していくんじゃないかと思うんですが、このような民間団体との協議や、あるいは、産・学・公の連携について、また、観光専門部署や組織体制の整備強化について、また、中野のブランド化について、区長の見解をお示しいただきたいと思うんですが。

○田中区長

「都市観光」という言葉で中野のにぎわいづくりのための営みを絞り込んで位置付けるようになったのは今年度であります。そういうことで都市観光ビジョンというような形で明確化をして、一定の方向づけができてきたというふうに思っております。状況としても四季の都市が動き出して、新たな来街者の方が見込めるというような状況でもありますので、都市観光という、中野のまちを大勢の方に楽しんでいただく、充実した時間を過ごしていただいて、それを中野のにぎわい・活性化に結びつけていくと。こういう取り組みを区内のさまざまな主体が本当に息を合わせて展開していけるような機運の醸成というのが大変重要だというふうに思っております。

専門部署ということでいいますと、今、滝瀬副参事が一生懸命答弁しておりましたけども、あれが専門部署でございますので、都市観光という概念を明確化したということで、25年度からは都市観光・商業振興ということでより明確な
役割を帯びて仕事をしてもらおう、こういうふうに思っているわけでございます。

ブランド化ということなんですが、これはまた少し議論が膨らんじゃうかと思いますけれども、何よりも今中野にあるものをどうやってブランド化していくかという、たくさんあるいいものをどれだけ掘り出して、それをいい形でプレゼンテーションしていくかということがブランド化ということでは大変重要だと思っております。民間との連携によりますホームページだとか、そういったようなこととか、産・学・公連携とか、こういう中でみんなが同じ戦略を持っていいものを掘り出して、それをプレゼンテーションしていけるような戦略づくりができていくということが、私はとても重要なんじゃないかなと、こんなふうに思っております。

○高橋(か)委員

ありがとうございました。滝瀬副参事の部署がどうこうということじゃなくて、観光部というか観光課という、その名前がつくことで区民もよりわかりやすいということで言ったわけでありまして、誤解のないように確認をしておきます。

区長が式典でお話しされた、まちの元気が出る方程式というんですか、来街者数×回遊時間×単価というのがまちの活力だというのはまさにぴったりだと思っていますので、ぜひその中身で連携をとりながら産業振興を進めていただければと思います。

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