3番目の項目としまして、にぎわい・活性化につながるユニバーサルデザインの推進について伺います。

この推進に関しては、前定例会において区長はその考え方を区政運営の基本に据え、全区民対象のユニバーサルデザインのまちづくりに係る条例の検討に言及されました。まさしくユニバーサルデザインは行政運営の基本理念であり、コンセプトであります。そこで、区行政全般にかかわるユニバーサルデザインのうち、まちづくりにおける取り組みについてお聞きします。

国際的にも標準となっているユニバーサルデザインの7原則は、「誰にでも」「いつでも自由に」「簡単に=介助なしに・ひとりで」「安全に」「快適に」「アクセスしやすい」「わかりやすい」ということであります。ハード面の意味合いが強い「バリアフリー」に対して、「ユニバーサルデザイン」は全ての人を対象に利用しやすい環境をつくる。結果として、健常者にとっても有益なものとなるコンセプトであります。まちづくりにこのコンセプトが生かされれば、高齢者や障害をお持ちの方も気兼ねなく自由にそこに出かけ、にぎわいをみずからつくり出し、消費者となり、地域の活性化や本人の健康維持・介護予防軽減につながります。全ての区民、来街者にとって住みやすいまち、生活をしやすいまちとなります。

欧米がなぜ障害者先進国か。それは、政策の方向性が「助成」ではなく、平等なチャンスと自立を目指しているからで、行政も企業もチャリティーとしてではなく、消費者・納税者として捉えている。それゆえインフラも整備され、障害者向け製品の開発や雇用の促進にもつながる、こういうことでございます。

ではまず、区が制定を目指しているユニバーサルデザイン条例に関してお聞きします。

今後議会への提案など、どのようなスケジュールでの条例制定を目指しているのか教えてください。

次に、区が昨年4月に策定した中野区バリアフリー基本構想とこのユニバーサルデザイン条例制定とはどのような関係になるか伺います。

また、中野区バリアフリー基本構想をとりまとめる際に、障害者団体や交通事業者など外部の関係する団体にヒアリングをしたと思いますが、今回の検討ではどのようなメンバーで検討を行い、外部のどのような団体と意見調整をする考えかお聞きします。

障害者の団体の中には、「日本身体障害者社会人協会」という勤労者を中心とする障害者団体があります。保護や支援を求めるのではなく、社会の一員として、また納税者として活躍するために、適切な設備や制度による機会均等を求め、ユニバーサルデザインへの具体的提言を行うなど、新たな視点を持つ団体であります。

そこでお聞きをします。ユニバーサルデザイン条例の制定に際し、その検討過程においてこうした新たな考え方、新たな関係団体の提言・意見を取り入れるお考えはあるのでしょうか。また、具体的まちづくりの企画設計段階でのバイブルとも言うべき東京都の「東京都福祉のまちづくり条例」に基づく「施設整備マニュアル」について、少子高齢化の進展や2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、ユニバーサルデザインやバリアフリーに関する考え方や設計基準に何か変化はあるのでしょうか。また、区が進めるユニバーサルデザイン条例の制定に際しては、まちづくりへの展開に区独自の理念が生かされるハード面でのバイブル、いわば中野区版施設整備マニュアルを策定するお考えがあるのか伺います。

ユニバーサルデザインの中野駅周辺まちづくりへの展開に関してお聞きします。

中野駅の交通利便性を考えてみますと、駅との接続と環境整備が最重要課題であります。しかし、現在の計画ではユニバーサルデザインの配慮に不安があります。例えば、中野二丁目地区や囲町地区、さらには現構想での区役所・サンプラザ地区の整備においても駅から一旦広場に出て、そこから開発区域へのアクセスとなっています。駅利用者や他地区から駅を介して車椅子を使ってアクセスしようとした場合、雨のとき、あるいは雪のとき、どうするのでしょうか。誰かに介助をしてもらうのでは、先ほどの基本原則に反し、ユニバーサルデザインではありません。さらに言えば、中野駅を起点とした東西南北各ブロックの開発後の施設への接続動線についても、このユニバーサルデザインの基本理念を具体的に展開し、区民やインバウンドを含めた来街者に向けて発信すべきであります

新たな知見を取り入れたユニバーサルデザインへの積極的な取り組みは、福祉施策ではなく、消費につながる優良顧客対応の営業戦略であり、まちの活性化、税収アップに寄与し、区のブランドイメージ向上にもつながります。

そこでお聞きします。区は、東京のまちづくりに全世界が注目する2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、中野区の都市戦略とその理念において、このユニバーサルデザインを、特に中野駅周辺のまちづくりにおいてどう具体的にわかりやすく見える形で展開をするのか、次世代につなごうとしているのか、区の見解をお示しください。

4ページ目:災害対応能力の充実について