次に、3番目、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画について。
現在、中野区基本構想と10か年計画の改定作業が進んでおります。この項では、にぎわい活性化につながる都市観光に関連して幾つか質問いたします。
初めに、都市観光・賑わい活性化策とまちづくりについてお聞きします。
2012年に中野区が策定した中野区都市観光ビジョンは、現在の中野区基本構想とそれに基づく新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に示された持続可能な活力あるまちづくりというメインテーマのもとに、メインテーマ実現のために取り組む指針ということになっています。今般の中野区基本構想改定に当たっての審議会答申を見ますと、将来を見据え、対応すべき社会状況等に、区の産業や都市観光の魅力を国外へアピールする機会の拡大するグローバル社会に向けて、中野の魅力を積極的に発信することや、多くの来訪者を受け入れることによるさらなるにぎわい創出など、中野の新たな機能づくりが求められているとあります。同時に目指すべき将来像には、活力とにぎわいある安全・安心都市基盤として、中野らしいまちの魅力創出など、まちの持続的な活性化を目指すことが重要であるとしています。
基本構想と10か年計画のメインテーマ実現のために取り組む指針として策定されました都市観光ビジョンにおける都市観光と、これから改定作業が進む基本構想と10か年計画に盛り込む都市観光とでは、意味合いが違ってくるのではないかと思います。
そこでお伺いします。都市観光について、新たな視点や中野区の将来を見据えての区の見解、いわば区が目指すゴールをお聞かせいただきたい。
また、今後改定作業が進む基本構想と10か年計画には、「都市観光」という文言・項目を明確にうたい、2020年を契機として変わる社会情勢に対応し、将来に向けて発展を目指す区の姿勢を内外に広く発信すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
2020年に向けた中野区のインバウンド観光の戦略は、来街者を呼び込むまち、にぎわいを創出するまちを目指すのであれば不可欠であると考えます。中野の持つ地域文化・歴史など日本古来の文化と、一方で漫画・アニメなど現代のカルチャーで外国人に人気のあるコンテンツの発信も必要と考えます。
外国人対応の観光施策は、2020年に向けて必須のものと考えますが、区は現状と将来予測をどのように考えているのでしょうか。また、具体的にどのように進めていくのでしょうか。サイン計画や広報についても、先ほどのストーリー性のある観光ルートの構築にあわせた整備や観光紙媒体、ITも含めた外国人向けの多言語による戦略的な全体としての情報発信や周知が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。こうした新たな観光戦略は、若者を呼び込むことにつながると考えます。吉祥寺や下北沢、原宿などではサブカルチャー文化を上手に発信し、若者が住みたいまちとして憧れを集めていることは御存じのことと思います。
超少子高齢化社会を迎える今、若者に魅力的な観光戦略によって来街者をふやし、中野の魅力、ブランド力を高め、定住につなげ、生産年齢人口をふやすことも視野に入れる施策も重要と考えますが、区はどうお考えでしょうか。
このように観光戦略を考えていきますと、中野の将来のあるべき姿、まちづくり、インフラ整備、広報戦略などなど、中野区の基本構想や10か年計画などの上位計画や都市計画、土地利用計画などに直結していく事項ではないでしょうか。昨年、国からは国家戦略特区の方針が示され、中野区もその指定に向けて取り組んでいるところであります。
そこでお聞きします。中野区が持続可能な自治体として、また将来に向かって発展していくために、都市観光施策の戦略的取り組みが不可欠であると考えますが、自治体単独では改定が困難な建築制限の緩和といった都市計画に係る課題を特区の規制改革事項として提案するなど、都市観光事業を具体化する視点を持って中野全体の都市計画、まちづくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次に、駅を起点とした都市観光施策について伺います。
駅同士を結んでの駅連動型の観光施策も重要であると考えます。JR中野駅とつながる東中野駅、中野駅南口をさらに南下すれば東京メトロ新中野駅、その先には中野坂上駅もあります。こうした地域にはエンターテインメント企業や施設も存在し、民間企業との連動も期待できると考えます。例えば、メトロ沿線の駅同士を連動させたまち歩きイベントの開催を誘導したり、その際には、イベント主催者が展示場やホールといった貸しスペースの情報が入手できる環境を整備したりなどして、企業イベント誘致に取り組むことも有効であると考えます。
そこで伺います。こうした駅連動型の観光戦略を進めることで中野全体の回遊施策につながると考えますが、いかがお考えでしょうか。
中野駅周辺では、まちづくりの進展とともににぎわい活性化が進み、北口、南口、それぞれの地域ですばらしいイベントが繰り広げられております。現時点では、主な南北の動線はガード下の中野通りしかありません。しかし、残念ながら現状は暗く、治安の面からも工夫が必要ではないでしょうか。高田馬場などでは壁面が手塚プロの絵となっており、そこ自体が観光の名所になっているという事例も参考にすべきだと思います。
そこでお聞きします。中野駅の南北動線である高架下については、高架下自体を観光スポットとして捉え、壁面を都市観光の広報スペースとして位置付けた上で、今後、駅を中心に具体的展開が見込まれるであろうタウンマネジメントやエリアマネジメントの収益源として、中野駅の魅力づくりの一環としてLED照明への切りかえや、さらに壁面の活用などを工夫し、明るく快適な空間にすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
また、都市観光戦略を進めていくことになれば、観光客の増加が当然見込まれることになります。住宅街へ観光客が迷い込み、迷惑をかけないような施策をとるべきだと考えます。同時に、新しい都市観光事業と既存の伝統行事を含めた地域のイベントが共存していくことも大切だと考えます。
そこでお聞きいたします。観光客が集中する地区、施設などには正確な地理情報が入手できる誘導・案内板の設置が不可欠だと思いますし、また、観光案内所の設置によって、地理的な案内に加えて、祭礼など伝統行事の情報をワンストップで入手できる環境をつくることも重要であろうと思いますが、区はどのようにお考えでしょうか。お示しください。
以上でこの項の質問を終わります。
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