〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 初めに、首都直下大震災等災害時の備蓄についての御質問のうち、中学生のための防災ヘルメットの配備についてお答えをいたします。
中学生には、みずから危険を回避し、適切な行動をとることができる判断力、実践力が身についていると考え、現在のところ、中学校では生徒一人ひとりに防災ヘルメットは持たせていない状況でございます。防災ヘルメットにつきましては、中学生の防災対応要員としての災害時の行動のあり方とあわせて、今後検討すべき課題であると認識をしてございます。
続きまして、キャリア教育について何点か御質問がございました。
初めに、小学校段階からの年次にわたるキャリア教育の取り組みについてです。キャリア教育の狙いから考えると、小学校段階では身近な人から集団へと人とのかかわりを広げながらみんなのために働くことを理解し、自分の役割を果たそうとする態度を育成する時期であると考えてございます。実際の教育活動では、御質問にもございましたけれども、全学年に共通する当番活動をはじめとして、1、2年生では、家族や身近な人の仕事調べや手伝い、3、4年生では、商店街の見学やお店体験、5、6年生では、産業や社会の仕組みなどの学習を通して取り組んできています。これらの活動を発達段階に応じて計画的に実施することで、キャリア教育が目指す、児童・生徒みずからがみずからの進路を切り開くことのできる社会性、自主性、自立性、関心、意欲等を養うことが必要であると考えてございます。
次に、小学校から中学校卒業まで一貫したキャリア教育の取り組みを行うべきという御質問でした。小中学校の教育課程の接続を図る上で、キャリア教育の視点を生かすことは有効であると考えてございます。現在、学校と教育委員会とで構成する小中連携教育推進協議会において、キャリア教育に関する小中連携教育の視点で実践事例の研究を行っており、今後の展開について検討しているところでございます。
最後に、キャリア教育に見識のある専門家による参画、検証も必要ではないかという御質問でした。各学校がキャリア教育について、見識のある専門家を活用することは、キャリア教育を充実させていく上で有効であると考えております。今後、キャリア教育に関する教員研修等の場で、その知見を活用したり、専門家からの助言を得たりするなどの方法により、学校におけるキャリア教育のさらなる充実を図ってまいりたいと考えてございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、首都直下大震災等、災害時の備蓄についての御質問にお答えをいたします。
まず、帰宅困難者に対する備蓄についての御質問です。帰宅困難者に対して、おおむね1日分の水、食料等を備蓄しており、多くは中野四季の森周辺に備蓄しております。帰宅困難者に対する備蓄につきましては、都の備蓄とともに、事業者においては従業員の帰宅抑制をすることから、備蓄をすることになっているところでございますが、来街者等の滞留者について、安全な帰宅支援、一時滞在施設の提供等の観点から、区としても一定の備蓄を行っているところでございます。
続きまして、私立幼稚園、保育園児などへの対応についての御質問がございました。私立幼稚園、保育園の園児につきましては、幼稚園、保育園の施設管理者において、必要な応急対策をしていただくことになっているところでございます。
また、私立幼稚園の地域内での防災活動についてに関連する御質問がございました。各幼稚園においては、独自に避難訓練、自衛消防訓練を行っており、防災訓練への参加はまれなところでございます。地域の防災訓練に私立幼稚園が参加し、地域連携を図ることにつきましては、今後、私立幼稚園の意向を十分に把握するとともに、幼稚園が地域での防災上の役割を果たす場合には、区として必要な支援を検討してまいりたいと、そのように考えております。
また、防災無線の設置につきましては、戸別受信機の配置を考えているところでございます。
次に、訓練への看護師の参加や医療従事者用ベストの装備についての御質問でございます。今後、地域で勤務する看護師にも参加を呼びかけ、中野区の医療救護所での活動について周知を図り、災害時の対応力を強化してまいりたいと考えております。汎用ベストにつきましては、災害時に円滑な活動を実施するための装備として、その配備について検討してまいります。
次に、災害時の医療品備蓄についてでございます。災害時に使用する医療品の備蓄につきましては、都が示した災害用医薬品備蓄リストを参考に、現在、医師会、薬剤師会等が参加している中野区災害医療連携会議の中で検討しているところでございます。
あわせまして、災害用医薬品の備蓄方法についての御質問がございました。現在、災害発生直後の急性期に使用する医薬品等につきましては、拠点医療救護所を中心に配備しておりますが、今後、慢性的な疾患に対する医薬品につきましても、適切に提供できるように、備蓄調達方法についても検討しているところでございます。
〔高橋かずちか議員登壇〕
○2番(高橋かずちか) 今の都市基盤部長からの幼稚園児に関係する備蓄についてのことで再質問させていただきます。
避難訓練等をサポートして、コーディネートしてくれという話については、その要請があれば対応するというような趣旨の御答弁をいただいたんですけれども、その前段のお話ですと、いわゆる私立の幼稚園、保育園の園児の備蓄については園がやる。これは、いわゆる民間企業が企業者責任と社会性のことで、自分たちできちっと備蓄せいという話と同じ論理だと思うんです。だけれども、中野区は昔から、教育、幼児教育というものを私立幼稚園連合会に託し、一緒に進んできたという流れもありますし、先ほど私も長い語りの中で言いましたけれども、大きな空間を持っているところもあって、延焼遮断帯あるいは本当に大災時のときの一時避難所という形で、大きく地域への防災に貢献する場合も出てくると思うんです。
片や区立の保育園、区立の幼稚園には、区が、区立ということであるから当然といえばそれまでなんですけれども、子どもたちのための備蓄をしているというお話もあります。そうしたときに、私立の幼稚園の園児たちが、民間事業者と同じ範疇で企業家責任のような形で備蓄をするということで本当によろしいのかどうかというところを、今子育てを一生懸命強力に推進している中野区の防災部局としてどう考えるのか。もう一度答弁をお願いしたいと思います。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私立幼稚園、保育園の園児が在園しているときに被災した場合ということで、私のほうから、施設を管理するその管理者として応急対策をしていただくというようなお話をさせていただきました。
もう1点は、地域の中で、私立幼稚園、保育園の役割、そういったものが具体的な防災活動の中で検討されるということであれば、それは地域に開かれた施設というふうになりますので、区としても一定の支援をしていく必要があるだろうと、そういった場合については検討をしてまいりたい、そのように考えております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。