二つ目、「災害時要援護者名簿」と地域支えあい「見守り対象者名簿」の運用について、質問をいたします。
中野区では、現在、高齢者や障害者などに対する対応としてその実態を把握すべく、本人の了解を経ての名簿作成が行われております。これまでは、防災部局が減災の観点から救護希望者本人のアクションにより災害時要援護者名簿を作成し、地域の防災会に名簿提供をしています。一方、地域支えあいの観点から、地域支えあい活動の推進に関する条例に基づき、区が見守り対象者名簿を作成しています。今まではこの両者の名簿が独立して存在していましたが、平成25年1月よりは区の管理上では両名簿が統合されたデータベースができることになっています。
この区の統合されたデータベースについて、質問をいたします。
このデータの原本はどの部局が作成し管理するのでしょうか。また、どのレベルまでの個人情報、つまり生活実態の情報が網羅されるのでしょうか。また、このデータの活用については、防災面、地域支えあいに関してどのようにするのでしょうか。お答えください。
地域での住民へのアクションに関しては、平時での地域の見守りについては民生委員・児童委員が担われていますが、災害対応については町会・防災会がその役割を担っております。このように、災害時要援護者名簿については主導的役割を担うのは町会・防災会ですが、防災部局からの名簿に基づき、地域で確認や訓練に際して対象者に直接アクションを起こすと、対象者本人が区に提出した自分の個人情報が町会に流れているというクレームを述べる事例が見受けられるようです。
そこで質問をいたします。
当該支援制度申し込みに際しての資料には、支援の流れ、フローなどが書かれてはおりますが、対象者が御高齢であったり、ハンディをお持ちの方、こうした想定をされる現状を考慮しますと、申請するときに字を大きくしたり絵を活用するなど、書類を含めて、確認の仕方、周知方法によりわかりやすい工夫が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
また、減災の観点からは平時での訓練が不可欠であることは言うまでもありません。防災関連の訓練には、いわゆる災害弱者としての対象者に関して、位置情報、生活形態、介護度など本人に関する情報把握が第一歩ではありますが、訓練を行う町会・防災会は防災担当の所管する災害時要援護者名簿は見られても、見守り名簿は見守り名簿閲覧権限者しか見ることができません。このように同じ地域で活動する内容も実際に対応する人も共通することが多いにもかかわらず、名簿の扱いに制限がある、閲覧できる人材が限定されているということが地域団体が地域支えあい活動の参加にちゅうちょしているケースも見受けられます。
また、発災時72時間という生死をかける時間帯での救助活動を考えると、地域で実際に動く町会内のより細かいブロック単位で対処せざるを得ない状況です。災害時の要援護者の情報をブロック長が把握していないと、災害初動時、機能しないのではないでしょうか。
そこで質問をいたします。
地域支えあい活動に係る見守り名簿の取り扱いに関して、町会・防災会が地域で活動を展開する細かい単位のブロック長、班長への名簿の提供について検討し、名簿提供が条例上難しいのであれば、町会・防災会がアクションを起こせる最低限の情報を色づけや記号など、マッピングするなど工夫した現場に即した2次情報を町会・防災会に渡すべきではないでしょうか。
また、実際の救護を考えると、避難所に集結した人員で両名簿をもとに救護をスタートするしかないと考えますが、そこにはいつも町会・地域行事にかかわり防災訓練に参加している人がいるとは残念ながら限りません。したがって、発災時、平時に地域とのかかわり・地域情報を持たない全くの新しい人・住民を想定した救護マニュアルを整備し、その状況を加味した机上訓練も行うべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
また、助けを受ける対象者の意識も重要だと考えます。災害時における自助・共助の重要性と同時に、行政・警察・消防等、官公庁は現実的に助けに来ることができないこと、また阪神淡路大震災での地域住民による人命救護実績など、いかに地域住民の活動が災害時に大きく貢献しているかなど、地域への関心を持つことや日ごろの地域へのかかわりの重要性などをしっかり認識しなければなりません。万が一のときに備えてコミュニケーションがとれるようにすべきと考えます。
そこで質問をいたします。
災害弱者や高齢者、ハンディのある方々など、災害時に地域からの助けが不可欠な対象者には、区からの郵送物等連絡書式の中に、こうした平時での地域への関心やかかわりの重要性について喚起すべき書類を同封するなど啓蒙する必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。
以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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