二つ目、大災害に備えた減災対応について。
その一つ目、首都直下大震災に備えた新たな防災センター設置の検討についてお伺いします。中野区庁舎の耐震性につきましては、昭和42年、7階建て庁舎完成、その後、昭和58年に8階、9階の増築を経て、平成8年に耐震診断・二次診断が行われました。「中野区区有施設耐震改修計画(改定版)」によりますと、一般的に用いられる指標、構造耐震指標(Is値)によると、中野区庁舎はIs値0.51となっています。国土交通省や都が、防災上重要な官庁施設の目標・耐震性能目安はIs値0.9から1.2程度となっています。一方、区の耐震補強基準によりますと、計画策定に当たっては、Is値0.6未満を耐震補強工事の対象とするとあります。
そこで質問します。中野区庁舎は、平成8年に行われた耐震診断・二次診断、Is値0.51を改善すべく、本庁舎耐震基本実施設計の委託契約に向けて進んでいるとのことですが、そこで、この構造耐震指標(Is値)の目標値は0.6に設定するのか、あるいは、国や都が設定する目標、0.9から1.2程度に持っていくつもりなのでしょうか。
中野区は、平成8年の耐震診断・二次診断を受けて、平成11年度に本庁舎補強計画を策定し、実施設計、施工計画などに向けた作業が進んだ経緯がありますが、見送りとなっております。その後の区庁舎建てかえ計画の検討・具体化に伴い、費用対効果との兼ね合いで見送られてきたということは想像にかたくありません。
既存建物の耐震改修でのIs値の違いは、改修計画策定・施工方法など大きく異なるもので、そのコスト増は莫大な金額になります。新築したほうがはるかに有効であります。しかしながら、問題はそのコストと着手時期であります。新築のほうが投資効果も総合的な安全性も格段にいいとはいえ、そのコストは現下の厳しい財政状況からして多くの課題を抱えています。また区役所の設置についても、当初の計画から変わってきており、区役所機能のあり方の議論も含め、時間がかかることが考えられます。
また、現在庁舎内2階にある災害対策本部となる現防災センターは、庁舎内の構造上、安全度が高い場所であるとは言いながら、各階ごとのIs値を調べてみますと、大まかに見て、1、2階以外は、国が官公庁施設に求める基準をクリアしている状況ではありません。防災行政無線等に不可欠な電源は地下の自家発電で賄えるとしても、電話交換機は7階、区庁舎内のPCサーバーは6階にあるとなると、関係機関との連絡やPCによる情報収集、また初動の作業に関して、震度6強の揺れが想定される首都直下地震等に機能するのか、大きな不安があると言わざるを得ません。まして防災担当部局や災害対応部局など発災時に初動で活動する部局が、耐震構造上安全性に不安があるゾーンに執務していて、万が一のときに初動がとれるのか疑問が残ります。
私が23区調査をしたところ、23区の本庁舎のうち、昭和56年のいわゆる新耐震基準以前の建物で、現在建築中を除き、耐震改修補強を行っていない本庁舎は10区あり、そのうち8区が災害時に指令拠点となる機能を備えた耐震構造の防災センターを本庁舎外に保有しておりました。残りの2区については、耐震改修予定がある区が1区、そして残る1区が中野区であります。中野区がどうするかということであります。築45年の建物に使い勝手の低下を承知で大幅なコストをかけるのか、実現の時期が不確定な新庁舎竣工まで待ち、その間ぎりぎりの応急処置で我慢するのか、あるいは、いつ来るかわからない災害に危機管理として早急に新防災センター建設というアクションを起こすのかという選択であります。
そこで、区の見解をお聞きします。当初計画にあった現中野体育館隣接の中野区庁舎予定地を活用して、新たな防災センターを建設する検討に入るべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。いつ来てもおかしくない首都直下地震に、区民の生命、財産を守るという行政の最大ミッション実現のため、想定を超える事態にも十分対応でき得る、区の中枢機能と災害対策本部の機能を確実に確保した新中野区防災センター建設の検討に早急に着手すべきだと考えますが、大災害時に最高指揮官となる区長の見解をお示しいただきたいと思います。
この新防災センターには、我が自民党のいでい議員の質問にもありました、医療関係団体の備蓄を備えた緊急時医療センターを備えたり、災害関係機関を配置するなど、中野独自機能を付加した防災センター、いわば中野モデルの確立も実現できると考えます。また当該エリアは広大な防災公園、体育館、高度医療施設に接し、耐震化されたオフィスビル、また有力企業などがあり、災害時優先活用される特定緊急輸送道路にもつながっているため、将来、区庁舎がほかのエリアに移ったとしても、防災本部としての機能は十分確保できるものと考えます。
次に、避難所運営と防災訓練についてお聞きします。災害時の避難所において、災害弱者と呼ばれる方の中には介護サポートを受けている人も想定できます。同僚議員からも同種関連の質問がなされておりますけれども、介護認定を受け、介助を必要とする人たちに対しては、その対処方法は専門性を有し、介護ヘルパーなど介護に精通したボランティアが不可欠であると考えます。中野区介護サービス事業所連絡会は、介護ヘルパー、ケアマネジャーをはじめ、介護にかかわる150団体を網羅しており、月1回、社会福祉協議会を事務局として運営会議も開催されるなど、即応性があると考えます。
そこでお伺いします。今後ますます進む高齢化社会に向けて、1人で生活することが困難な人たちに対応するため、区内介護関係団体と協定を結び、避難所運営に携わってもらうと同時に、より実効性を上げるために、今後の防災訓練への参加を促すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
あわせて、災害弱者に関係する団体も含めて、広い視点で防災協定の新規の協定締結先も常に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、区が主催する防災訓練をはじめとした防災関係諸行事に、防災協定を締結した団体への周知案内はどのように行っているのでしょうか。こうした防災意識の高い団体に対しては、日常より接触し、訓練等に際しては、区も含めた参加各団体の意思疎通がとれるような環境をつくるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
次に、三つ目に、災害備蓄用品の再点検について質問いたします。東日本大震災以降、新たに再注目された災害として富士山噴火がございますが、この対策、まずは備蓄用品から始めるべきと考えます。富士山噴火による影響の中で、降灰については、その主成分が石やガラスでできており、吸い込むと呼吸器に有害であるなど、直接人体に影響を及ぼすと考えられています。
そこで質問いたします。備蓄用品にマスクの追加を求めたいと思います。マスク常備については、噴火に対する備えと同時に、粉じん対策、感染症、風邪対策にもなり、災害時の避難所で弱者と言われるお年寄りや子どもたちに対しても二次被害を拡大させない有効策と考えますが、いかがでしょうか。また、災害時の備品に関しましても、その充実にさらに努めていくべきであります。東京都や23区自治体間、関係団体とのネットワークを生かし、常にグレードアップとリニューアルに努めていただくことを改めて要望しますが、いかがお考えでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
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